YU / RINA KASHIKI
Traveler
樫木 雄(かしき ゆう) 1978/06/24 Type A
樫木 里奈(かしき りな) 1980/01/02 Type O
2010年2月~夫婦で世界一周の旅をしています。

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オーストラリア編

TITLE  いのちの食べ方

妻リナのオーストラリア日記

 

 

みなさんはお肉は食べますか?

オージービーフは日本でもよく見られるように、肉食大国オーストラリア。
しかし、その反面というか、反動というかベジタリアンも日本より見受けられます。
日本ではベジタリアンというと、肉、魚はもちろん乳製品もとらない人というイメージですが、ベジタリアン大国インドや欧米では、ベジタリアンは乳製品も食べるのが一般的で、乳製品はもちろん蜂蜜(ハチという生物が関わっているという理由で)なども一切食べない人たちはビーガンと呼ばれています。
私のオージーの友達にもビーガンの子がいるのですが、彼はTVで屠畜の映像を見てから、一切の肉を食べなくなったそう。

 


WWOOFをする時、必ずといっていいほどホストにベジタリアンかどうか聞かれます。またホストがベジタリアンである事も多いです。
私はというと、ベジタリアンではないのですが、もともとお肉にはそれほど執着がなく、ベジタリアン食でも、ノンベジタリアン食でもどちらでもOKです。ホストのMAXは乳製品大国スイスから来た、もちろんノンベジホスト。食用の牛も10頭ほど飼っています。牛は雑草を食べてくれるし、牛糞は有機肥料となるので一石三鳥のようです。
私が彼の処へやって来たとき、大きい冷蔵庫つきトラックが庭にとめてあったので、何かと尋ねたら、数日前にブッチャーがマックスの牛を1頭殺したばかりで、今度またその肉を細かいブロックに解体する時まで、その牛が冷蔵保管されているとの事。ブッチャーとは肉屋という意味もありますが、ここでは食肉解体者の事です。

もともと肉食でないという日本では、昔は被差別者が従事していたととで、今でもひっそりとする仕事のイメージがありますが、オーストラリアではそういう事は全くなく、食肉解体者として堂々と仕事をしています。私は肉を食べる身でありながら、どのように牛や豚が殺されるかも知らず、肉といえば、スーパーにあるパッケージされたものしか見た事がないので、前々からパッケージされる前の牛や豚について知りたいと思っていました。私に限らず、食の生産現場と消費の現場が切り離されているのが、ほとんどの家庭ではないでしょうか。

当日、中年の人の良さそうなブッチャーに解体作業を見学したい旨を伝えると、快く了承してくれました。彼はホームブッチャーといって、今ではほとんど工場で機械を使って解体作業がされるのが主流のなか、牛を飼っている家まで出向き、手作業で解体する職人です。先回、銃で即死させ、血抜きの作業まで終わって、大きな部位に分けて吊るしてある牛を、一本の包丁ほどのナイフでさばいていく、その手先は鮮やかでした。

 

butchar.jpg

 

冷蔵庫の中で、黙々と作業する中年ブッチャー。

彼のお父さんはブッチャーではなく、また一緒に作業していた、まだティーンエイジャーらしきブッチャーも息子ではないとの事で、代々受け継がれている仕事ではないようでした。

 

 

マックスに、今度は牛を殺す段階から見る機会があったら、教えて欲しいと言うと、ちょっと考えた様子で、通常wwooferには、それは見せないいいましたが、全ての肉食者はそれを見たほうがいいと思うという私の意見をいうと、「わかった。でもリスペクトが必要だよ。牛にも、ブッチャーにもね。」と言いました。残念ながら彼の所では、その機会はなかったけど、いつの日かそれを見なければならないと、私は思っています。

折りしも、この頃、オーストラリアで、インドネシアへの生牛の輸出が禁止されたところでした。
インドネシアでは、新鮮な牛を市場に供給するため、また加工賃などもあるのでしょう、オーストラリアから生きた牛を輸入して、国内で屠殺作業を行っていましたが、その方法が非人道的であると、オーストラリアのマスメディアや、動物愛護団体からオーストラリアの成牛の輸出を禁止せよ、との声があがり、実際にそうなったのです。日本で話題になっていたかどうかは分からないのですが、こちらではABC国営放送が大きく取り上げ、話題になっていました。
インドネシアはイスラム教の国なので、その教えどおり牛を殺す伝統的な屠殺方法が今でも主流だそう。ウィキぺディアによると、それは、
後肢に綱を掛け頭部を下にして吊るしたら、間を入れずに動脈を切断し、ある程度は空中で暴れさせて、急速に失血死させる方法を取っている。
 なお失血死という方法は、肉に血液が残る量が最小限に抑えられ、肉の劣化や腐敗を遅らせる効果もあっての事で、特にこれは冷蔵庫が普及する以前は、鮮度の低下で廃棄される肉を最小限に抑えるための技術でもあった。この技術が発達した背景には食中毒の予防と同時に、犠牲となる生命に敬意を払い、無駄を最小限とするための倫理的な思想も見出される。
 と、あります。
 一方、オーストラリアでは電流でショックを与え、苦痛を最小限にしている、というのが輸出反対派の弁。

二つの国のあいだには文化や経済水準の差も大きくあるようです。

 


 以下、オーストラリアのABC放送のインドネシアの屠殺の特集の映像です。46分のやや長い、もちろん英語でのTV特集ですが、ショッキングな映像をただ観るのではなく、オーストラリアメディアの姿勢も含めて観て頂くと良いと思います。

もうひとつの映像は、「いのちの食べ方」という、ヨーロッパのオーストリア人の監督が取った、ドキュメンタリー映画の予告編です。原題はOUR DAILY BREAD(日々の糧)で、食物が私たち、先進国の人々の食卓に上るまでを撮ったものです。台詞やナレーションは一切ありません。その分観る人によって感じ方が色々あると思います。おすすめの映画なので、ぜひ見てください。
 

 

インドネシア屠殺映像↓

ここに入り、左上の牛の画像をクリックすると、インドネシアの屠殺のニュースですが、かなりショッキングなので、覚悟の上ご覧ください。

http://www.abc.net.au/4corners/special_eds/20110530/cattle/

 

 

映画「いのちの食べ方」 予告編↓

http://www.youtube.com/watch?v=EmZk-Lwl2Uk

 

たしかに、ABC放送のインドネシアでの屠殺映像には目を背けてしまうものがあります。ただ、そこで働く人々が残酷な人間には見えず、ただ屠殺が彼らの仕事であり、生活の一部であるというように私には見えました。オーストラリアの動物愛護の声がどこか独善的に聞こえるのは私だけでしょうか。
原始的な方法で殺すのがいいのか、工場で機械的に殺されるのがいいのか。
どちらにしても、生命に感謝するいう気持ちが、屠殺業者に、そして何より、私たち消費者にもっと必要だと考えさせられたニュースでした。

 

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